館内ツアー
金城樓に宿る。
伝統の美術・工芸の町、金沢。
古都の風情が息づく浅の川界隈の雅びを背景に、
金城樓には格別の趣が漂っています。
精魂込めた日本建築の粋。しっとりと落ち着いた庭園。
伝統の様式美を随所に残しながら、
いつの時代も、おもてなしの心を大切にしてまいります。
大屏風
広い玄関をくぐると、艶やかにライトアップされた金色の屏風が目の前に広がり、
圧倒されるほど荘厳な存在感に包まれます。
別館「不二庵」
昔ながらのお客様には思い出深い「不二庵」。
当時、大正天皇の崩御にともない、皇太子裕仁親王が第124代の天皇に即位(昭和天皇)。
金城樓では御大典を記念して、敷地内に建設しました。
桐の間、鳳凰の間、末広の間は、当代の数奇者が贔屓とあって、
金沢の伝統と格式をそのままに醸し出しています。
旧前田対馬守庭園
静寂な佇まいをひときわ際立たせる日本庭園。
前田家の庭園であった頃からほとんどその姿を変えず、150年以上前と変わらぬ格別の趣を見せています。すみずみまで静澄な空間が広がり、四季折々の風情に心が洗われます。
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不二石
その昔、太閤秀吉が愛でたという太閤七石の一つ。文化界でも天下人であった秀吉は、茶の湯に関連する数々の銘品を所有していました。不二石は関西の名家から縁あって前田家に譲渡されたものと伝えられています。
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槙(まき)の樹
樹齢が数百年を超え、金城樓において最も歴史ある古木です。前田家の邸宅であった頃から長い年月を経て、庭師の技によって見事な末広がりに整えられています。その珍しい枝ぶりは、特に「桐の間」と「松の間」から眺めることができます。
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獅子印璽燈籠
加賀藩御用釜師・宮崎寒雉12代目と13代目の共作である青銅の狛犬です。金城樓に現存するものは口を閉じた「吽形」の獅子像であり、対となる口を開けた「阿形」の狛犬像は鎌倉の旧前田邸跡地に存在します。
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師団長以下将校のサーベル掛け
大正13年11月2日から石川県下で行われた陸軍特別大演習の際、金沢城内には乙軍司令部が置かれました。その後も太平洋戦争勃発までは軍人のお客様が多く、金城樓は出征兵士の宿泊所にもなったとのこと。宴の時ばかりは軍人たちも装備を解き、大いにくつろいだことでしょう。
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干支の盃
戦後の九谷焼作家を支えるため昭和29年から始まり、今なお続く金城樓の伝統「干支の盃」。九谷焼窯元 鏑木商舗に依頼した個性的な盃を、毎年松の内にいらしたお客様へ差し上げています。歴代の盃は館内のショーケースにてご覧いただけます。
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十二支燈籠
創業者土屋九兵衛が邸宅を手にする前から存在し、金城樓で最も大きく立派な前田家所縁の燈籠です。十二支が彫り込まれた燈籠は珍しく、非常に格式高いものとされており、前田家が築いた栄華の片鱗を感じることができます。
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櫻獅子
丹頂の間に鎮座し、金城樓の守り神としてお祀りしている陶製の獅子頭です。木彫が一般的な獅子頭ですが、昭和33年の本館改装を機に先代 大樋長阿弥に依頼した大樋焼の逸品であり、格式ある大広間にて威厳を放っています。
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舞台
ご婚礼や各種会合、様々な催し物にご使用いただける丹頂の間の舞台。その背景を彩るのは、加賀友禅の巨匠 談議所栄二による不二庵の赤松を描いた染色作品です。櫻獅子同様、昭和33年本館改装時の作であり、金城樓が貫いてきた「文化の担い手」としての姿勢を表しています。
意 匠
細部にまで贅を尽くした意匠の数々を、金城樓の随所でご覧いただけます。
細部に宿る匠の技、その繊細な美しさは見る者すべてを魅了してやみません。
貴賓高い雅びな世界観をご堪能ください。